活躍する同窓生  しだれ桑 第52号より

歩行ケアで快適生活に喜びを


[マイクロストーン株式会社 代表取締役社長/工学博士]
白鳥 敬日瑚さん(S51年卒)

どんな高校生活を送っていましたか。

地学班に所属し、化石の研究活動をしておりました。仲間と野山の奥まで入り込んで、地図を書きながら、貝などの化石の収集をしておりました。3年生の時は、部長として活動しており、発表できる文化祭も楽しみでした。3年生の時は、国立大学受験のために地理で受験したいと先生に相談したところ、放課後特別授業をしてくださり、とても助かりました。先生には、本当に感謝しております。

起業したきっかけを教えてください。

信州大学工学部を卒業し、精密機器メーカーに就職しました。水晶振動子の開発や超小型CRTの開発に携わり、また米国のHP社と小型ハードディスクの立ち上げのため、米国に出張したことは、大変勉強になりました。

その後、加速度センサとジャイロセンサの開発を開始しました。岡山で開催された超音波学会に参加したところ、ジャイロセンサ研究で、日本の第一人者の山形大学の富川教授にお会いすることができました。年賀状と暑中見舞いをお出ししたところ、ある時電話があり、大学に来てくれということでした。大学にお伺いしたところ、一緒に米国に負けないセンサを開発しないかと言われました。開発を開始していたところ、先生から大晦日にお電話をいただき、大学院の博士課程で学ばないかとお誘いをいただき、博士後期課程に入学することになりました。

研究と論文作成で土日もなく生活しておりましたが、会社から大学院は辞めるように言われました。しかし、なんとか個人として継続することになりました。

その後、会社はセンサ開発から撤退し、米国のベンチャー企業と組んで液晶開発をすることになり、その中心で事業を立ち上げるように言われました。しかしどうしてもセンサ開発を継続したいと思っておりました。丁度その2年ほど前に、父が喉頭癌で大学病院に入院しました。看病をしながら、病院でセンサ技術が大変役立つことに気が付きました。この様なことが重なり、会社でセンサ開発が出来ないなら、自分でやるしかないと決心し、会社を退社し、自宅の6畳間から、「マイクロストーン株式会社」を創業しました。

何を重きにして生活をされていますか。

御縁に感謝し、一度の人生を悔いなく、誠実に生き切ることです。

これからどのようなことを計画されていますか。

センシング技術で世界中の皆様の快適生活にお役に立ちたいと思います。

体幹2点歩行動揺計が開発でき、現在人の歩行のバランスを計測し、指導し、改善する「歩行ケア」を開始できました。有難いことに現在病院の人間ドックで採用され、また保育園、小中学校、企業や自治体の健康チェックに活用が開始されました。さらに、子会社「SAKUNOコーポレイション」を創業し、軽井沢、神戸、佐久市に歩行ケアの直営店を開店しました。2020年の東京オリンピックまでに、日本人の歩行姿勢は美しくなったと言われることが中期目標です。やがて世界中の皆様に喜んでいただくことが夢です。

今の東高校生にひと言お願いします。

高校時代にしかできないことは、何かを考えて、生きて欲しいと思います。人生は一度ですから。

平成11年マイクロストーン株式会社を創業。平成28年SAKUNOコーポレイション株式会社を創業、信州大学工学部客員教授、信州大学経済学部非常勤講師、大阪電気通信大学客員教授、経済産業省今年のロボット大賞推進委員を歴任。現在、佐久商工会議所 佐久ものづくり研究会会長、松本大学教育学部・人間健康学部非常勤講師。
<受賞歴>
ニュービジネス大賞、Japan Venture Award 2004、明日の日本を支える元気なモノ作り中小企業300社、ものづくり大賞NAGANOきらりと光る技術賞受賞等。

長野県上田東高等学校
同窓会事務局

〒386-0018
長野県上田市常田3-5-68
TEL&FAX 0268-26-2020