[東日本大震災復興支援コンサート「君にとどけINうえだ」代表]
西原 光男さん(S43年卒)
職業は美容師です。震災の年に引退し、現在は息子が後を継いでおりますが、40年来のお客様がまだいらっしゃいますので、月に5日間ほど東京へ通っております。
2011年の5月いっぱいで引退する予定でしたが、3月11日に東日本大震災が起き、ボランティア活動が天命と思いました。自a分に出来る事は何か?被災者方のカットをしようと思い、岩手、宮城、福島の社会福祉協議会及び、NPOのボランティア団体に電話しました。まだ震災間もない時で、食糧及び衣類等生活必需品の需要が高く、カットする心の余裕がないのか、依頼はありませんでした。
4月の終わり頃、盛岡にある「NPO法人難民を助ける会」より連絡をいただき、5月の連休明けに2泊3日の予定で現地に向かいました。避難所にいる方は、ほとんどの方が家を失い、家族や親族を亡くした方だと聞いていましたので、会話がとても難しかったです。なかでも中学1年生の男の子は、とてもしっかりしていて沢山お話ができました。「将来の夢は?」との質問に、「僕は大きくなったら自衛隊に入り、人の役に立ちたい」と答えました。思わず涙がこぼれ、心の底から何かをしたいと、突き動かされました。しかし様々な事情から、ボランティアカットを中止せざるを得なくなりました。9月の最後のカットの時に、陸前高田のガレキの中にヒマワリの花が咲いていたので、自分自身が忘れないようにとその種をいただき育てる事にしました。それが母校である三中での『ヒマワリプロジェクト』に繋がっております。
10月に入るとどうしてもその男の子の言葉が忘れられず、何とかしたいと思いました。調べると親を亡くしたり、行方不明の親の子どもたちは約2000人いる事を知りました。上田で何とか支援活動をしたいと思い、東高校の同級生に相談し、翌年8月8日に第1回東日本大震災復興支援コンサート『君にとどけINうえだ』を開く事になりました。昨年まで5回の義援金は、630万円を超える事ができました。義援金はあしなが育英会を通じ、被災遺児に届けさせていただきました。
これまでのコンサートの内容は1回~4回まではゲストとして、被災地で地道にコンサート活動をしている方をお呼びいたしました。昨年5回目は、お子様を大川小学校で亡くした、佐藤さんをかたりべとして、ゲストにお迎えいたしました。第6回の今年は10月21日、上田文化会館ホールで行う予定です。
当たり前の日常が、当たり前ではなく、突然親を亡くした子どもたちにとっては、それがどれほど幸せな事かをかみしめて欲しいと思います。おはよう、おやすみ、行ってきます、ただいま、いただきます。日常の当たり前の会話ができないのですから…
昭和24年6月1日生まれ。山野愛子美容学校卒業。第1回ヴィダルサスーンカットコンテスト優勝。アメリカサンフランシスコに美容留学。昭和53年東京都小平市に出店、昭和58年たかの台に支店オープン。平成元年吉祥寺店オープンと共に株式会社愛花夢(アイカム)組織変更。平成3年自社ビル取得。現在はパートの技術者として勤務。
長野県上田東高等学校
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